以前にも一度触れた事がありますが、改めて菌根菌を取り上げます。
菌根を作って植物と共生する菌類のことを菌根菌と言い、菌根菌はキノコ・カビ・酵母などの様な真菌を言います。
体が多数の菌糸と呼ばれる管状の細胞で構成されているものが糸状菌と言われ、土壌中の糸状菌が根に着生したものを菌根と言います。
根っこに張り付いた有益なカビです。
いつから共生が始まったのかは不明ですが、4億年前の化石から発見されたとの報告があるそうです。
初期の人類(アウストラロピテクス)が約300万年前に誕生したと言われますが、菌根菌ははるか昔から植物と共生していたようです。
簡単にまとめると、
菌根菌
↓
根⇔菌根(カビ)⇔土壌
↑
根に対して
1. 肥料分の吸収・輸送
2. 水分吸収能力の強化
3. 有害物質のブロック
糸状菌に対して
1. 光合成産物(炭素化合物)の供給
炭水化物
アミノ酸
有機酸
酵素類など
菌根の役目の水分・栄養の吸収という面では、
菌糸が広がる事により養分・水分を吸収しやすくなりますし、根っこが入れない微小な隙間にも入り込めるため、貧栄養な地域や乾燥地でユーカリが育つためには必要不可欠なものではないでしょうか。
例えば根がロープの太さだとして、菌糸が糸の太さで、糸がいっぱい張り巡らされている植木鉢をを想像すると、少量の水分でも糸が吸収していくさまが想像できます。
根1メートルに対して、菌糸が300メートル~500メートルあったという報告があった様です。
根1メートルに対して、菌糸が300メートル~500メートルあったという報告があった様です。
菌根の役目としての有害物質のブロックで思い当たることは、
オーストラリアと言うとボーキサイトの産出量で世界トップです。
ボーキサイト=鉄礬土(てつばんど)はアルミニウムの原料で、酸化アルミニウムを多く含む鉱石です。
ボーキサイト=鉄礬土(てつばんど)はアルミニウムの原料で、酸化アルミニウムを多く含む鉱石です。
アルミニウムは植物にとって成長を阻害する物質として知られていますが、菌根がブロックしていると考えても良い様な気がします。
菌根無しでは生きられない環境なのかも知れませんね。
ウエブステリアーナなどは極度に過湿を嫌います。
根っこは貧弱で、想像するに菌根依存度が高いと思われます。
つまり、過湿になることにより好気性の菌根菌が死滅し、給水能力が低下して落葉が発生するのではないでしょうか。
菌根には共生の形態から内生菌根と外生菌根があり、菌根菌が根っこの細胞膜の内部に着生するものを内生菌根、根の細胞膜の外側に菌根を着生するものを外生菌根と言いますが、ユーカリは外生菌根です。
菌根菌が死んでも、外生菌根ですので、根っこへの影響が軽症で済むため、落葉と言う現象で済んでいるのかも知れませんね。
菌根菌が活性しやすい土壌にするのが、病気に強い、良く育つ、というキーワードにつながる可能性がありますね。
秋の頃でしょうか、植木鉢にキノコが生えているのを見たことが無いでしょうか?
キノコも真菌の一種ですので、キノコが生えている土壌は菌根菌が活発になれるというサインなんでしょうかね?