枚方と同じ様な気候の地域がオーストラリアにあるのか?
枚方の気温は、月間平均最高気温及び月間平均最低気温を、2009年~2011年の3年を月別に単純平均した温度です。
オーストラリア各地の気温は、旅行のサイトから頂きました。
月別の平均最高気温・平均最低気温の最大最少を使用しています。
各地の気温
オーストラリアは四季を通じて枚方ほど寒暖の差が無く、暑い地域は冬でも暖かく、寒い地域は夏でも涼しいと言った傾向にあるようで、唯一寒暖の差が大きい砂漠地帯が、最高気温・最低気温だけをとらえると枚方に近い様です。
より詳細なデータで枚方と同じ様な地域が無いかを検証してみました。
下記資料はオーストラリア政府のデータを使用させて頂きました。
最高気温マップ
最低気温マップ
合成マップ
※合成マップは自作です。
この辺りの観測所データをチェックすると、クインズランド ミッチェルではないかと思われます。
ミッチェルの数値データをグラフにしてみました。
下記グラフはオーストラリア政府の気象データを元に作成しています。
枚方では冬場1度位の時期は最高でも9℃位までしか気温が上がりませんが、ミッチェルでは冬場3℃位の時期でも暖かい日は20℃位まで上がる様です。
夏でも冬でも年間を通じて体感できる温度が20℃ということになります。
日本では考えられない事ですね。
Googleマップより
ミッチェルは地形的には平野?の端で、山に遮られた袋小路の様な場所です。
大小の違いはありますが、枚方も大阪平野の端で、京都・奈良の山に遮られた袋小路の様な場所です。
アリススプリングのデータの時期をミッチェルに合わせるため、気象データを元に作り直したアリススプリングとアリススプリング近くのアールタンガのグラフです。
アールタンガはアリススプリングより最低気温が2度ほど低くなる地域です。
A アリススプリング
B アールタンガ
いずれの地域も気温の推移は同じ様な傾向です。
気温が枚方に近い順に並べると、ミッチェル(クイーンズランド)、アールタンガ(ノーザンテリトリー)、アリススプリング(ノーザンテリトリー)という順です。
オーストラリアは四季を通じて枚方ほど寒暖の差が無く、暑い地域は冬でも暖かく、寒い地域は夏でも涼しいと言った傾向にあると言う事と、夏でも冬の最高気温あたりまで温度が下がり、冬は夏の最低気温あたりまで温度が上がるという傾向にある事です。
オーストラリアには年中フラットにキープされた温度があるということは、逆に日本の気候は暑い日が数カ月続き、寒い日が数カ月続くと言った過酷な温度差環境にあります。
この様な環境の違う場所で育てられているユーカリですが、我が家にあるものでは、ミッチェル生息品種ではEucalyptus melanophloia、アリススプリングないしアールタンガ生息品種ではEucalyptus gamophyllaです。
どちらの品種も同じ頃の播種で、同じ用土を使用して戸外で育てていますが、gamophyllaのほうが元気です。
ミッチェルのほうが枚方に近いはずなのに何故?
想像ですがアリススプリングのほうが、もっと過酷な環境にあるからでしょうかね。
冬の最高気温・最低気温のグラフです。 枚方は2011年1月のデータです。
日中の最高気温は枚方よりはるかに温かいと言えば良いのか、
枚方ではストーブを入れて、18~20℃で温かく感じる温度ですので、ミッチェルやアリススプリングはストーブを入れている様な気温ですね。
枚方で育てられているユーカリにしてみると、冷蔵庫の野菜室(約5~7℃)、冷蔵室のドアポケット(約6~9℃)ですの、冷蔵庫に入れられている様な感じですね。
枚方と同じ様な気温はオーストラリアには存在しない、降雨量を含めると同じ様な気候は存在しないと言う事を前提に、ユーカリを育てる必要があります。
夏枯れ・冬枯れするのは当然と思えば、育て方が間違っているのか? と悩む事も無く、環境の変化に強い個体だけが残っているという事になります。
一般的に冬季は温室に入れなければならない植物、夏季は日陰の涼しい場所に置かなければならない植物、日本では色々な植物が育てられていますが、ユーカリの様に色々な気候の地域で生息しているものは、ユーカリをひとくくりにして取り扱うには無理がある様に感じます。
耐寒性の植物・耐暑性の植物という表現ではなく、非耐寒性の植物・非耐暑性の植物と言ったワンポイントコメントををつけたものが欲しいところです。
非耐の部分に対して何か対策する必要があるということで、わたし的には分かりやすい気がします。
非耐という事を簡単に言っていますが、品種ごとにこの非耐を見極めるには相当の時間が必要になると推測されます。
降水量は枚方とどう違うのか?
枚方と比べミッチェル・アリススプリングはかなり降水量が少なくなりますので、水やりの量を減らす必要があります。
でも考え方を変えると、水やりしたからと言ってユーカリが水を直接葉に溜める訳ではなく、土中にしみ込む水分量が問題になるのですから、用土の保水力をかなり落としてやることによって、対応できるのではないかと考えます。
300mmまでを砂漠、600mmまでを半砂漠とする(結構アバウトな数字です)とオーストラリアのほぼ全域が砂漠と名の付く地域で、枚方の様な降雨量のある地域は東海岸沿いの一部という事になりますので、保水力を落とした用土にしておけばほとんど間違いないと言った感じです。
保水力の無い用土と言えば、サボテン用の用土でしょうか?
昔ならサボテン=砂というイメージでしたが、サボテンの自生地は砂漠ではなく土漠だそうで、赤玉・軽石などの混合用土を使用するらしいです。
サボテンとはいえども土中の湿度を保つ必要があり、毛細根の成長を阻害させないためにも細かいものも混ぜて、用土が粗めにならない様にしているという事です。
オーストラリアの土質を調べる必要がありそうです。
これから後は気温と同じ様にかなり時間がかかりそうですので、一旦ここまでのアップロードとさせて頂きます。